英語学習における動詞の重要性
英語学習を進める中で、多くの人が直面する大きな壁。
それは、実際に「話す」力を身につけることの難しさです。
TOEICのスコアはそれなりに高いのに、ネイティブスピーカーとの会話になると尻込みしてしまう、そんな経験をしたことのある人は少なくないでしょう。
そうした悩みの根本原因は、多くの場合「動詞」の使い方を理解していないことにあります。
名詞や形容詞は比較的覚えやすいですが、動詞は使い方やニュアンスを知らないと、会話の流れをスムーズにすることができません。
それゆえ、「英語は動詞の言語」という視点が重要です。
柴田真一先生の著書はまさにその動詞に焦点を当て、動詞の持つ意味やニュアンスを徹底的に解説し、どのように使えばよいのかをわかりやすく教えてくれます。
このアプローチはただ単に単語を暗記するだけでは到達できない、実践的なスピーキング能力の向上につながると言えるでしょう。
「英語は動詞の言語」その意味とは
なぜ「動詞」がそれほど重要であるのか。
それは、動詞が文の中心的な役割を担っているからです。
動詞が意味する動作や状態が名詞とどのように結びついているかによって、文のニュアンスや意図が全く異なるものになります。
たとえば、「run」という動詞一つとっても、「run away」(逃げる)と「run into」(偶然出会う)とでは、全く違う意味を持ちます。
本書の魅力は、中学レベルで習う基本的な動詞をどう活用するかに重点を置いているところです。
シンプルな単語が持つ広がりと奥深さを学ぶことで、語彙を増やすだけでは得られない思考力と表現力が身につきます。
また、何故英語が動詞中心であるかも最初にしっかり解説されており、納得感をもって学習を進めることができます。
実生活シーンで役立つ動詞の使い方
日常英会話で使う単語のほとんどは、誰もが知っている簡単な動詞です。
それなのに、いざとなると言葉が出てこないという人は、これらの動詞の意味や使い方を正しく理解していないことが多いのです。
本書では、単語自体は平易であっても、その活用法と実際のセンテンスにおける役割がしっかりと示され、さまざまな場面で思考をループさせることなく即座に使えるようになるポイントを教えてくれます。
本書のもう一つのポイントは、柴田先生自身の経験談に基づいていることです。
彼が英語を使うビジネスシーンでどのように動詞を駆使してきたか、自身が乗り越えてきた苦労も含めて詳細に説明されています。
これには必ず共感を覚える読者も多いはずです。
そして、こうした実例を交えた解説によって、読者は自分の生活や仕事にどのように応用すれば良いのか具体的にイメージすることができるのです。
学習方法と具体的な応用
英語を効率的に学ぶためには、自分の学習スタイルに合った方法を見つけることが重要です。
柴田先生は、皆さんが飽きずに続けられるよう、豊富な例文や実際の会話で即使えるフレーズもふんだんに紹介しています。
また、難しい単語を無理に覚えなくても会話が成り立つように、まずは基礎的な語彙をしっかり理解し、その上で応用力を培うことを勧めています。
具体的な学習方法としては、まずは例文を見て、動詞がどのように使われているかを丹念に理解するところから始めましょう。
そして、自分の日常生活に当てはめてみることで、実生活で使える知識として定着できます。
これを習慣化することで、英語がより身近になり、自然と口から出てくるようになるのです。
柴田真一先生について
本書の著者である柴田真一先生は、NHKラジオ講座のパーソナリティを務める、日本全国の英語学習者にとって知らぬ者はいない「国民的英語の先生」です。
彼の教え方は、一方的に教え込むのではなく、聞き手が積極的に考え、納得しながら進めるスタイルに特徴があります。
また、そのキャリアには海外ビジネスや金融畑での実務経験が長年に渡り数多く積まれています。
若かりし頃は英語に対しても特に仕事上での困難を感じていたという柴田先生。
そこからどのようにして使いこなす力をつけてきたのか、そしてその過程で学んだ英語学習の「コツ」を惜しげもなく共有してくれています。
特に感情の込め方や話の流れの作り方など、ネイティブの感覚に近づくためのヒントが満載です。
まとめ
「英語は50の動詞で一気に上達する」というシリーズ名が示す通り、本書は効率よくスピーキング力を向上させたい人に非常に有効です。
たった50の動詞で、それだけの英語の幅が広がることを驚くでしょう。
名詞の暗記に力を入れることももちろん大切ですが、本書を通じて動詞の重要性を再認識し、実生活の中で使える英語力を高めることを目指してみてください。
何か一つ学んで新しい視点が得られると、英語の勉強がもっと楽しくなります。
柴田先生のアプローチはその第一歩を提供してくれる、それが本書の最大の魅力であり、たくさんの人にとって大きな助けとなるでしょう。
英語学習そのものへのモチベーションもきっと高まります。